2月15日はお釈迦様のご命日「お涅槃」です。80歳になっていました。当時としては大変な高齢者です。最後の布教伝道の旅に出て、インド北部のクシナガラという町まで来てとうとう力尽きます。弟子たちに最後の教えを説かれました。その教えは遺教経(ゆいきょうぎょう)として現在に伝わっています。
その中に「知足」の教えがあります。
「弟子たちよ、色々な苦悩から逃れようと思うなら「知足」を知りなさい。足ることを知る人は、地べたに寝るような暮らしをしていても心豊かに暮らして行ける。足ることを知らない人は、どんなに立派な豪邸で暮らしていても不満不足である。不知足の人は常に五欲(睡眠欲、食欲、性欲、金銭欲、名誉欲)に振り回され、いつまでたっても苦しみから解脱することは出来ない。」
足りているということは、他人が判断することではなく、自分で感じるものです。足りていることに気が付かなければ、永遠に足りることはありません。なかなか良寛さんのような心境にはなれませんが、平和な日本で暮らせ、何とか雨露をしのぐ家があり、粗食ながらも三度いただける、なんと有難いことでしょう。
「吾唯足知」 吾ただ足るを知る 京都竜安寺のつくばいが有名ですが、桐岳寺にもあります。
本堂左奥には涅槃図も掛けています。自由に入れますので、どうぞ近くによって拝んで下さい。