瑩山(けいざん)禅師のお木像を新調しました。
瑩山禅師は、鎌倉時代に日本の曹洞宗を興した道元禅師より三代後のお方で、全国に曹洞宗を弘め現在の大教団の基礎を築かれたお方です。曹洞宗では道元禅師を高祖さま、瑩山禅師を太祖(たいそ)さまと尊称します。
二千六百年前にインドで仏教を始めたお釈迦さま(釈迦牟尼仏)と高祖さま、太祖さまを「一仏両祖 いちぶつりょうそ」と呼び、曹洞宗の正式なご本尊と定められています。
曹洞宗であっても、そのお寺の縁起によってご本尊さまが一仏両祖でないこともしばしばあります。観音さまであったり、お薬師さまであったり、お地蔵さまの場合もあります。因みに桐岳寺のご本尊さまはお釈迦さまですが、先住地の宝林寺はお薬師さまでした。
曹洞宗寺院の多くでは、そのお寺の初代住職であるご開山(かいさん)さま、高祖さま、太祖さまの木像を祀っています。桐岳寺でも位牌堂の奥の開山堂でお三方を祀っています。お詣りの節には是非拝んで下さい。
倉吉市の仏具商「倉仏」さんで作りました。仏師は石賀膳章師で、なかなかの腕前です。将来仏師・彫刻家としてきっと名を成す方でしょう。
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間もなく春のお彼岸です。お中日は祝日法で「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」と定められています。
暑さ寒さも彼岸までとも言いますが、暑くもなく寒くもなく、ちょうど良い時節を迎えました。お日さまが真東から昇り真西に沈みます。昼と夜の長さが同じです。仏教のどちらにも偏らない「中道」の教えを説くのに、まことに都合の良い時節です。
シャバ世界で暮らす私たちはとかく偏るがゆえに争いとなり、健康を損ね、人倫をも踏み外してしまいます。特にお彼岸の一週間は万に中道を心掛けて暮らしてみてください。そうすれば私たちが暮らす迷いや煩悩に満ちたこの[此岸](しがん)から、安らぎの世界「彼岸」へ少しは近づくことが出来るでしょう。お彼岸の一週間は仏の教えの実行週間でもあります。
極楽浄土は西方はるか彼方あるそうです。太陽が真西に沈むこの時期は、ご先祖さまとホットラインで繋がります。遠方のお檀家さまもお彼岸にはぜひお墓詣り、お寺詣りの予定を立てて下さい。
幼子に 合わせて見せる この両手
2月15日はお涅槃(お釈迦さまのご命日)です。桐岳寺でも1日から、お釈迦さまの最期の様子を描いたお涅槃図を掛けてご供養し、ご遺徳を偲びます。
お釈迦様が死を直前にした最後の言葉は「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい」(中村元訳 ブッダ最後の旅) 当時としては超高齢の80歳でした。
本堂内左奥に掛けています。中に入ってご自由に拝んで下さい。